ここでは、あるRateまで到達するのに何試合必要かを計算したいと思います。 「トップ率、平均順位、Rの関係」 のおまけのようなものに相当しますので、 読んでいない方は先にそちらを理解しておいてください。 なお、計算には高校程度の数学の知識が必要です。
簡単のため、400試合こなしてRate変動は一定になっている人を考えます。 最初に次のように定義します。
S = (試合数)
R0 = (最初のRate)
RS = (S試合後のRate)
RT = (到達Rate)
ここでいう「到達Rate」というのは、無限回試合をしたときのRateのことで、 人により一定とします。 その人の雀力と同義と考えてください。
Rateの試合数における漸化式は以下のようになっています。
RS+1 = (RT + 299 RS)/300
ここで、
F = 299/300
とおくと、
RT - RS+1 = F (RT - RS)
となります。これを解いて
RT - RS = FS (RT - R0)
利用別にするため、 RS、 RT、 S のそれぞれについて解いてみます。
RS = RT - F (RT - R0)
RT = (RS - F R0)/(1 - F)
S = logF((RT - RS)/(RT - R0))
試合数を求める場合がこの式になりますが、ここで到達度 D を導入します。
D = (到達度) = ( RS - R0 ) / ( RT - R0 )
S = logF(1 - D)
雀力の高低に関係なく、到達度は試合数に依存することがわかります。
例として、Rate1700の雀力を持つ人が、 Rate1500からRate1650に達するまでの試合数を計算してみます。 この場合、到達度 D は、(1650-1500)/(1700-1500) = 3/4です。
S = log299/300(1/4) ≒ 415(試合)
Rate2000の雀力を持つ人が、 Rate1500からRate1950に達するまで(到達度90%)の試合数も計算してみます。
S = log299/300(1/10) ≒ 690(試合)
このように、Rateが収束するには数百試合は必要であり、 たくさんの試合数をこなさないうちは正しいRateとはいえません。 東風荘の場合は、最初の400試合は変動を大きくして(最大5倍)、 収束が早くなるように工夫されています。